停電したときに、太陽光発電は本当に使えるのか?

停電で冷蔵庫の中身が台無しになった
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太陽光発電があれば、中部電力さんなどの電力会社が停電したときでも、発電した電気を使うことができます。
これを「自立運転」機能といいます。

とても役にたつ機能ですが、使い方にはいくつかの制約があります。
そして、“まさか”の落とし穴も存在します。

この「制約」と「落とし穴」を知っておきさえすれば、いざ停電となったときに、この機能をうまく使うことができます。

 

|停電したときに太陽光発電を使う場合の制約とは?

制約には、次の5つがあります。

 

 ①太陽が出ているときしか使えません。

太陽光発電システム自体には、発電した電気をためておく機能はありません。
ですので、発電した電気を、そのまま使うことになります。
ということは、太陽が出ていて、発電しているときだけ使えるということです。

 

 ②コンセントから電気を使います。

停電していないときには、太陽光発電で発電した電気は、家じゅうに流れていきます。
しかし、電力会社が停電すると、安全のために太陽光発電も発電をストップします。

実は、停電したとき用の「自立運転」では、電気は家じゅうには流れていきません。
それでは、どうやって発電した電気を使うのでしょうか。

答えは、「自立運転」専用のコンセントから使うことになります。
パワーコンディショナが屋内用の場合、機器の横面にコンセントがついています。
パワーコンディショナが屋外用の場合は、家の中のどこかに自立運転専用のコンセントをつけることになります。

(「パワーコンディショナ」については、別の記事で説明しています。この記事の最後にリンクを貼ってあります。)

 

 ③天気によって、使える量がつねに変わります。

晴れた日の昼間でも、太陽に雲がかかれば、発電量は減ります。
雲がきれれば、発電量は増えます。
ということは、コンセントから使える電気の量は、つねに増えたり減ったりします。

天気が悪くなれば、発電量がゼロになることもありますので、充電機能のないパソコンなど、途中で電源が切れると困るものは、使わない方がよいです。

 

 ④最大で1.5kW(1500W)まで使えます。

どんなに天気が良いときでも、使える電気の量は最大で1.5kWまでです。
1.5kWというのは、家の壁についているコンセントひとつ分です。

ということは、天気がよくて十分に発電していれば、いつも壁のコンセントにつないで使っているものは大丈夫ということです。
(ただし、タップを使って複数の電化製品を使う場合には、一度に使う電気の合計が1.5kWを超えないようにしなければいけません。)

IHクッキングヒーターや、大型のエアコンのような200Vの電気で動くものについては使うことはできません。
(コンセントの形が違いますので、間違って使うことはありません。)

 

 ⑤切り替え作業が必要です。

この「自立運転」機能は、停電すると自動で使えるようになるわけではありません。
自分で切り替えをする必要があります。
切り替え方法は、パワーコンディショナの取扱説明書に書かれています。

 

制約は、以上の5つです。

このような制約がありますが、それをふまえて使えば、とても役にたってくれます。
実際に、東日本大震災では、次のような使われ方をしました。

「携帯電話をこの方法で充電し、安否の連絡ができた」
(2011年3月22日付 朝日新聞より)

「炊飯器や電気ポット、小型テレビなどを利用。近所の人に暖かいご飯を配ることもできた。」
(2011年4月4日付 中日新聞より)

制約をふまえた上で、いざというときにじょうずに使うためのコツは、平常時に練習しておくことです。

「停電していないのに、どうやって停電したときの練習をするの?」

と思うかもしれません。

やり方は簡単です。
停電していないときでも、「自立運転」への切り替えをすれば、停電したときと同じようにコンセントから電気を使えるようになります。

この状態で、いろいろな電化製品をコンセントにつないで試してみればよいのです。
くもっていても使えるものや、ほかのものとは同時に使えないもの、コンセントが高い位置にあったり、延長コードが必要だったりと、気づくことがたくさんあるはずです。

|停電時に太陽光発電を使うときのまさかの落とし穴

さて、ここで根本的な質問です。
この「自立運転」機能。
停電した時に、本当に使えるのでしょうか。

実は、2011年に私がソーラー工房のお客様に聞き取りした結果からしますと、使えないお宅が大半でした。
別に、機械が壊れているわけではありません。

それでは、なぜ使えないかというと、理由は簡単。

「切り替え方がわからないから」

です。

ソーラー工房では、太陽光発電の工事が終わったときに、お客様に切り替え方の説明をしています。
でも、ふだん使うわけではないですので、2~3年もすれば、みなさん忘れてしまいます。
これは仕方がないことです。

パワーコンディショナの取扱説明書を見れば書いてあるわけですが、
「取扱説明書をどこにしまったか覚えていない。」
という方が多くいらっしゃいました。

さらに、切り替え作業の中には、「太陽光発電用のブレーカー」というものが出てきますが、
「どのブレーカーのことかわからない」
という方もいらっしゃいました。

ですので、もっとも大事なのは、停電したときに
「切り替え方がわかるようにしておく」
ということです。

「非常時に必要になるものは、しまう場所を決めておく」
ですとか、
「太陽光発電用のブレーカーに、わかりやすい表示をしておく」
といった工夫が必要です。

|まとめ:停電したときに太陽光発電を有効に使うポイント

日ごろと同じというわけにはいきませんが、停電したときには、太陽光発電で発電した電気を使うことができます。
実際に、冷蔵庫、テレビ、ラジオ、携帯電話の充電、炊飯器など、使えてよかったという事例が報告されています。

しかし、日ごろ準備をしていなければ、実際に停電したときに「宝の持ちぐされ」になってしまいます。
そうならないように、発電した電気を有効に使うためのポイントは2つです。

①突然の停電でも、切り替え方法がわかるように準備しておくこと
②平常時に、停電したときに使いたい機器を使って練習しておくこと

この2つをおさえておけば、いざ停電というときに、太陽光発電の貴重な電気を使うことができます。

 

<パワーコンディショナについては、『パワーコンディショナってどんな機械?』をご覧ください。>

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